この感想を書いている途中で、スマホゲームをひとつ消しました。
入れるまでの流れは、いつも決まっています。別のゲームをしているとCMが流れてきて、お試しで少し遊ぶと面白い。その場では我慢するのに、休日になると「ま、ちょっとだけ」と入れてしまう。
消すまでの流れも決まっています。放置ゲームに近いやつです。最初はボンバーマンみたいに敵をバンバンやっつけていくのが楽しい。それでいいのに、進めていくとシムシティみたいなまちづくりが出てきます。それいらんし、と思う。町を効率よく進めるには課金して、キャラクターはどれを選んで。考えるのがなんかめんどくさくなって、やめる。
今までずっとこれでした。今回もきっとそうなるはずなのに、無駄に時間使ってるよねーと思いながら、また入れていました。
減らさなくていい、足せばいい、から始まります
荒木俊哉さんの『あなたの時間が足りないのは、あなたの言葉が足りないから。』【PR】(ソシム)は、そういう時間に言葉から手を入れる本です。著者は電通のコピーライターで、言語化の本を何冊も出してきた方。時間術の本によくある、SNSをやめよう、スマホをやめよう、という話から始まりません。
「減らさなくていい。足せばいい。たった1行、その時間の自分にとっての目的を。」
予定に1行、自分にとっての目的を書き足す。それだけで、流されるだけの時間が自分の時間に変わっていく、という提案です。ちなみに第1章は、飼い猫に「そのSNS、見たくて見ているのかニャ?」と話しかけられる女性の場面から始まります。
目的を意識することって、そうそうありません
いちばん引っかかった一文は、40ページにありました。
「同じ打ち合わせという時間なのに、「先輩から学ぶ」という自分なりの目的が言語化できているかいないかで、時間に対する意識が違ってくる。」
読んで実感したのは、目的を意識することって、そうそうないということでした。予定があるときは、目の前のことしか見えていません。この目の前以外にたどりつきたいところってどこなんだろう、と思うのは、動きながら、ふと落ち着いたときくらいです。
月に1度の出張を、なんとなく続けています
たとえば月に1度、日帰りでグループ会社に行く仕事があります。もう1年半になります。着いたら、先月の振り返りと、今月やることを一緒に進めます。でも、どこまでいけばゴールなのかが、はっきりわからない。何年もかけてやるのか。やるなら明確な指示がほしいのですが、それもない。だから正直、なんとなく行っています。
自分から聞けばいいじゃないか、と言われたらそのとおりです。この本の第4章にも、やらされ感を減らす最初のステップは「依頼者の目的」を聞き出すことだ、とあります。これを聞かないってことは、やる気がわいていないってことなのかな、と思ったりしています。
先方も、自分たちの業務が忙しいなかでの取り組みです。どうしてこれをやらなければならないのか、という空気を感じるときがあります。
同じ出張先で、始まったばかりの取り組みもあります。もっと便利にできるはずのところを、こちらから押しつけるのではなく、自分たちで便利にするというところから動いてもらえたら。そう思いながら進めています。
本には、「今日もあっという間だった」「何もできなかった」と感じる日は、時間が足りなかったのではなく、一コマ一コマに「自分にとっての目的」が言語化されていなかっただけ、とありました。
完璧な言語化を目指さない、という項があります
書いていて、気づいたことがあります。気乗りしないものがあるときは、完全に目的とか考えていません。
じゃあ全部の予定に目的を書けばいいかというと、そこは自信がありません。自分の場合、あまり目的ばかり考えると動けなくなるからです。
本もそこは見越していました。完璧な言語化を目指さない、という項があります。「なんとなく、こんな感じ」でいい。「今日の打合せは、まず部長の機嫌がいいかどうか確かめる」、それだって立派な目的だと書いてあります。
著者自身も、「正直に言います。私はとにかく、一度決めたことが続きません。」と告白しています。早起き、運動、ブログ、英語の勉強。プロのコピーライターでも、そうなんですね。
書名は、そのままの意味でした。
予定に1行は、まだ書いていません
読み終えてから起きたことを、ふたつ書きます。
ひとつは、気乗りしないプロジェクトへの参加を伝えられたときです。なぜわたしなのか、とやんわり言ってはみたものの、参加することになりそうです。ただ、AIを使えばこのプロジェクトはもっと時短できるだろうなと思ったら、なんか主体的にやれる目的をもてたような気がしています。
もうひとつが、冒頭のゲームです。ダウンロードから削除まで当日中は、今回が最短でした。
予定に1行は、まだ書いていません。Googleカレンダーのメモ欄は、空いたままです。ただ、ふと落ち着いたときに、「目的ってなに?」がよぎるようになりました。
本書はツナグ図書館経由でソシム様よりご恵贈いただきました。ありがとうございます。
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